小型震源装置PASSによる地下環境モニタリング

九州大学・東京大学の辻研究室では、地下の環境モニタリングを目的として、小型震源装置(PASS)を開発しました。PASSには地下数十メートルをターゲットとした10cmサイズの超小型のタイプから、数キロメートルをターゲットとした大きめのタイプのものなどがあり、用途によって使い分けます。この震源から発生するスイープ信号を重ね合わせ相関処理を行うことによって信号エネルギーを増大させることができます。受振器としては地震計や光ファイバー型振動計測装置(DAS)を用います。これらの組み合わせにより、アクセスが難しい地域も含めて、能動的な振動計測による安価で簡便な連続モニタリングが可能となります。この技術は、地盤・地熱発電・CCS等の環境モニタリングに貢献します。株式会社ウェーブレットは、大学発ベンチャーとしてこの技術を実用化し、調査企画からデータ取得・解析等の技術サービスを提供します

The technology of PASS (Portable Active Seismic Source) was developed in the Tsuji laboratory of the University of Tokyo for the environmental monitoring. Various size of PASS has developed and applied in the depth range from some tens meters to several kilometers. Fiber optical cable was used as the seismic sensor. These technologies can be applied to various fields, such as geological survey, civil geothermal power optimization, and CCS monitoring. We provide technical services from research planning to data acquisition and analysis as a university oriented venture.

調査の概観

取得データの例

PASS震源からの信号を海底に設置したDASで取得した例 
(a) S波モード (b) P波モード  (Tsuji et al., 2021)

参考論文
Technical Papers
https://www.nature.com/articles/s41598-021-97881-5
https://doi.org/10.1785/0220220049
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ghg.2249

東京大学のプレスリリースはこちら
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/hubfs/press-release/2022/0915/001/text.pdf