地球温暖化を防止するために結ばれたパリ協定では、気温上昇を1.5℃未満に抑えることが目標となり、日本においても2050年までにカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを行っています。

国際エネルギー機関(IEA)は、地球の気温上昇を1.5度以内に抑えるために、CO2回収・貯留(CCS)で約15%のCO2を削減する必要があるとしていますが、これには年間100万トンを貯留する場所が世界で約6000ヵ所必要な計算になります。日本もこのCO2地中貯留により、2050年までに1.2~2.4億トンものCO2を減らそうとしているため、CCSの実現は日本においても世界においても喫緊の課題です。CCSの普及に向けては、CO2の漏洩とそれが誘発する地震が懸念されており、これを防止し、安全を担保するために、CO2の状態を継続的に監視する仕組みが求められています。

これまで一般的に用いられてきたモニタリング手法では、大型の震源装置を利用し、1回のモニタリング調査に1億円単位のコストが必要でした。そのため、モニタリング調査を繰り返し実施し、貯留CO2の挙動を連続的に捉えることは困難で、急なCO2の漏洩などに対応できない恐れがありました。

東京大学辻研究室のグループが開発した超小型震源装置(PASS)は、超小型で低コストであるため、CO2貯留サイトにおける多数のPASSの定常的な設置や、アクセスの悪い場所での設置が可能になり、急なCO2の動きを捉えることが可能となりました。

この小型震源装置PASSは、CCSだけでなく、地熱開発、石油・天然ガスなどのエネルギー資源のモニタリング、堤防やトンネルなど土木建造物などのモニタリングにも利用できます。また、東京大学の辻研究室では、月や火星などの宇宙での、PASSを用いた探査に向けた共同研究も進めています。

WAVELETでは、大きな可能性を秘めた小さな震源装置PASSを、様々な分野で実装化し、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指します。

Member

Akihisa Takahashi
代表取締役兼CEO

石油資源開発にて環境・新技術事業本部の執行役員を務める。物理探査技術者として企業や大学における研究・教育活動にも従事。好きな言葉は「好奇心」。最近の趣味は50歳を超えてから始めたピアノ。

Shu Shimada
取締役
Takeshi Tsuji
取締役チーフサイエンティスト

のんびり生きたいと思っているけれど、なかなかそれができない大学教授

Company Profile

企業名株式会社ウェーブレット
登記地東京都練馬区
事務所 所在地〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル 3F Room 6
電話番号03-6265-1957
設立2022年7月
代表取締役髙橋 明久
取締役島田 周    辻 健
主な事業内容振動計測を用いた環境モニタリングの技術サービス
主な取引銀行三井住友銀行・西京信用金庫