株式会社ウェーブレット(本社:東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル 3F Room 6、代表取締役:岩本 友幸、以下「当社」)は、このたび国内の地熱地帯において弾性波探査を実施し、地下1,000m程度におよぶ断層構造の可視化に成功しました。本調査では、従来の車両型震源装置をに加え、超小型振源装置「PASS」を活用し、車両が立ち入れない地形的制約のあるエリアにおけるデータ取得に成功しました。
地熱探査の背景
地熱開発においては、地下の断層構造を精緻に探査することが重要です。しかしながら、国内の地熱資源の多くは山岳地帯に存在し、車両の進入が困難なため、従来の車両型震源装置を用いた弾性波探査によるデータ取得が困難でした。
当社は、東京大学辻研究室が開発した超小型振源装置「PASS」を用いることで、従来の探査ではカバーできなかった地形的制約のあるエリアにも対応し、弾性波探査の対象エリアを拡大させることを目指しています。
実証試験の概要と成果
今回の探査では、従来の車両型震源装置と、PASSを組み合わせて探査を行いました。PASSは人力での持ち運びが可能なため、これまで地形的な制約から探査が困難だった場所でも設置・稼働が可能となり、従来手法では得られなかったエリアのデータ取得に大きく貢献しました。
探査の結果、地下1,000m程度まで届く弾性波の伝播を確認し、深部に存在する断層構造の可視化に成功しました。また、得られた探査結果は、過去に同地域で行われた地質調査および他の探査手法によるデータと整合的であり、本技術の有効性と再現性を裏付けるものとなりました。
今後の展望
今後も様々な地域での探査を通して知見を蓄積し、技術開発をさらに推進していきます。
- 震源装置のパワーアップによる探査可能深度の拡大と、PASSのみによる探査の実現
- 解析手法の工夫による、より深部のイメージング
- 可搬性の向上による、探査の対象エリアのさらなる拡大
- 土木やCCS分野への横展開
当社について
株式会社ウェーブレットは2022年に創業した東京大学発のスタートアップ企業です。
東京大学の辻研究室で開発された振動計測技術を用いて、二酸化炭素の地中貯留や地盤の監視、資源開発、地熱発電、防犯など、さまざまな分野の課題解決に貢献します。
公式ウェブサイト: https://wvl.co.jp/

お問い合わせ先
株式会社ウェーブレット 広報担当窓口 Email: info@wvl.co.jp